2017年7月3日 礼拝説教 「高熱の病」
2017年7月3日礼拝説教
「高熱の病」
ルカによる福音書4章38節~44節
39節 イエスが枕もとに立って熱を叱りつけられると、熱は去り、彼女はすぐに起き上がって一同をもてなした。
40節 日が暮れると、いろいろな病気で苦しむ者を抱えている人が皆、病人たちをイエスのもとに連れて来た。イエスはその一人一人に手を置いていやされた。
41節 悪霊もわめき立て、「お前は神の子だ」と言いながら、多くの人々から出て行った。イエスは悪霊を戒めて、ものを言うことをお許しにならなかった。悪霊は、イエスをメシアだと知っていたからである。
42節 朝になると、イエスは人里離れた所へ出て行かれた。群衆はイエスを捜し回ってそのそばまで来ると、自分たちから離れて行かないようにと、しきりに引き止めた。
43節 しかし、イエスは言われた。「ほかの町にも神の国の福音を告げ知らせなければならない。わたしはそのために遣わされたのだ。」
44節 そして、ユダヤの諸会堂に行って宣教された。
マラリアと言えば、どのような国を連想しますか。アフリカを中心とする、熱帯雨林がある地域が頭に浮かぶのではないでしょうか。しかし、それは近代のことで、古代ローマ帝国の至る所にマラリアが蔓延し、一時期は「ロ―マ熱」という俗称がつくほどでした。
イエス様が活躍していたイスラエルの北部にあるガリラヤ地方は例外ではありませんでした。高熱、吐き気、頭痛を伴い、悪化すると死に至るこの病は地域住民にとって大きな悩みの種でした。
近代科学のお陰で、蚊に刺されることによってマラリアに感染することが明らかになり、殺虫剤を染み込ませた蚊帳に入って寝ると感染を防ぐことができるという知識が一般的になりました。
しかし、一枚6千円以上するこの種の蚊帳は、貧困に苦しむ多くの人たちにとって、手の届くような商品ではありません。特に妊婦や子供が感染しやすく、未だに世界全体で毎年3億人くらいが感染し、幼い子供を中心に70万人以上が死亡します。
世界保健機関はマラリアの撲滅を重要視していますが、多くの国でマラリアは生活の一部として見られ、風邪のような扱いを受けるので、撲滅運動がなかなか進みません。経済学者の多くは発展途上国がなかなか貧困から抜け出せない理由の一つとしてマラリアの存在をあげています。
カファルナウムの会堂を出たイエス様は、後にペトロという名前で呼ばれるようになり、一番弟子のような存在を占めるようになったシモンの家に入りました。シモンには奥さんがいて、奥さんのお母さんは高熱に苦しんで寝ていました。この地方の歴史に詳しい方たちの間で、これはおそらくマラリアだったという見方が強いです。
イエス様が近づいたらマラリア菌がどこかに飛んで行ったのでしょうか。それとも、イエス様に具合が悪いのを忘れさせる不思議な魅力があったのでしょうか。もっと懐疑的な見方をするなら、たまたま熱が自然に冷めるタイミングでイエス様がやって来たのでしょうか。病院に行って熱を冷ます薬をもらってくる時代に生きる私たちにとっては不思議な話です。
しかし、それはともかく、シモンの義理のお母さんはすぐに起き上がり、イエス様とその仲間の接待を始めました。その噂を聞いて集まった病気に苦しむ人たちは、皆同じ体験をしました。イエス様のそばに来ると楽になる。熱が下がる。痛みが和らぐ。力が入らない手足を持ち上げることができるようになる。イエス様が次の村に行こうとすると、村の人たちは「まだ行かないでくれ」としきりに頼みました。
この出来事から二千年近い年月がたっています。医療技術が進み、私のような凡人には理解できない、ハイテクな治療法が次々と開発されました。しかし、未だに多くの人たちはイエス様にいやしを求めて祈ります。病気や悩みに苦しむ人たちは、枕元に立ってくれる人、手を取って優しい言葉を語ってくれる人を必要としています。
毎朝、この場所とこの時間が、皆さまにとってイエス様に近づき、心や体の癒しを受け、終わったら立ち上がり、元気にその日の勤めに向かわせる時間となるのが私の切なる願いです。「イエスはその一人一人に手を置いていやされた。
」
Comments
Post a Comment