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Showing posts from December, 2019

2020年1月14日 始業礼拝 「演出家は満席にこだわる」

2020 年 1 月 14 日始業礼拝 「演出家は満席にこだわる」 ルカによる福音書 14 章 15 節 ~ 24 節 15節              食事を共にしていた客の一人は、これを聞いてイエスに、「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう」と言った。 16節              そこで、イエスは言われた。「ある人が盛大な宴会を催そうとして、大勢の人を招き、 17節              宴会の時刻になったので、僕を送り、招いておいた人々に、『もう用意ができましたから、おいでください』と言わせた。 18節              すると皆、次々に断った。最初の人は、『畑を買ったので、見に行かねばなりません。どうか、失礼させてください』と言った。 19節              ほかの人は、『牛を二頭ずつ五組買ったので、それを調べに行くところです。どうか、失礼させてください』と言った。   20節              また別の人は、『妻を迎えたばかりなので、行くことができません』と言った。 21節              僕は帰って、このことを主人に報告した。すると、家の主人は怒って、僕に言った。『急いで町の広場や路地へ出て行き、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れて来なさい。』 22節              やがて、僕が、『御主人様、仰せのとおりにいたしましたが、まだ席があります』と言うと、 23節              主人は言った。『通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ。 24節              言っておくが、あの招かれた人たちの中で、わたしの食事を味わう者は一人もいない。』 一昨年の 10 月 17 日、さいたまスーパーアリーナで開かれる予定だった歌手、沢田研二のコンサートは開始直前に中止されました。理由はコンサート会場が満席にならないと知った沢田研二が出演を拒否したからです。キャンセル料やチケットの払い戻しで主催者の損失は 4 千万円に上るとされましたが、それ以上にがっかりしたのはわざわざ会場に駆け付けたファンの方だったと思います。イベントの主催者は常に

2019年12月16日 礼拝説教 「上座、下座とサンタクロース」

2019 年 12 月 16 日礼拝説教 「上座、下座とサンタクロース」 ルカによる福音書 14 章 7 節 ~ 14 節 7節                   イエスは、招待を受けた客が上席を選ぶ様子に気づいて、彼らにたとえを話された。 8節                   「婚宴に招待されたら、上席に着いてはならない。あなたよりも身分の高い人が招かれており、 9節                   あなたやその人を招いた人が来て、『この方に席を譲ってください』と言うかもしれない。そのとき、あなたは恥をかいて末席に着くことになる。 10節              招待を受けたら、むしろ末席に行って座りなさい。そうすると、あなたを招いた人が来て、『さあ、もっと上席に進んでください』と言うだろう。そのときは、同席の人みんなの前で面目を施すことになる。 11節              だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。 」 12節              イエスは招いてくれた人にも言われた。「昼食や夕食の会を催すときには、友人も、兄弟も、親類も、近所の金持ちも呼んではならない。その人たちも、あなたを招いてお返しをするかも知れないからである。 13節              宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。 14節              そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」  床の間の前が上座で、自分から進んで座らないのは日本社会の常識です。しかし、皆が遠慮していると上座がなかなか埋まりません。私は以前、このしきたりを知らないで、床の間の前が空いていたので、そこに座れば良いと思って恥をかいたことがあります。今は皆と一緒に上座を避けて座ろうとするようになりましたが、イエス様が目撃したのはその逆の光景でした。前回のお話と同じ場所で起きたことですが、身分の高いファリサイ派の人の招待客は、上座と決まっていた家の主人の近くにある席に座ろうと競っていました。 現代の日本人に比べると、当時のイスラエル人がとても幼稚だったという印象を受けます

2019年12月2日 礼拝説教 「レスキュー隊に休業日はない」

2019 年 12 月 2 日礼拝説教 「レスキュー隊に休業日はない」 ルカによる福音書 14 章 1 節 ~ 6 節 1節               安息日のことだった。イエスは食事のためにファリサイ派のある議員の家にお入りになったが、人々はイエスの様子をうかがっていた。 2節               そのとき、イエスの前に水腫を患っている人がいた。 3節               そこで、イエスは律法の専門家たちやファリサイ派の人々に言われた。「安息日に病気を治すことは律法で許されているか、いないか。」 4節               彼らは黙っていた。すると、イエスは病人の手を取り、病気をいやしてお帰しになった。 5節               そして、言われた。「あなたたちの中に、自分の息子か牛が井戸に落ちたら、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらない者がいるだろうか。」 6節               彼らは、これに対して答えることができなかった。 安息日の礼拝が終わり、会堂から出て来たイエス様は身分の高い方の家に招かれました。そこにはルカが「水腫」と呼んでいる病気を患っている人がいました。現代の医学用語で何の病気に当たるかは確実に言えませんが、「むくみ」の症状が重かったことがわかります。血液は動脈を通って体の末端に水分を運び、細胞に届いてから再び血液に吸収され、静脈を通って運ばれて行きます。この水分の行き来のバランスが崩れると、細胞の隙間に水が溜まり、体にむくみの症状が出ます。リンパ系が正常に機能しないなど、原因となる病気はいくつもありますが、体が不自由になり、ひどい痛みを伴うこともあります。その場にいたこの人も、同じような辛い思いをしていたと想像できます。 しかし、イエス様を招待した人たちはその人の辛さを気にしていた様子はありませんでした。病気を癒すことで有名なお方が来た。仲間が「水腫」で苦しんでいる。騙されたつもりで頼んでみようか。そう思ってもよさそう状況だったのに、ナザレのイエスを陥れることに気を取られていた彼らはそこまで考える余裕はありませんでした。 仲間の苦しみは二の次で、集まった人たちの非難の目はイエス様の一挙手一投足に注がれていました。ここで癒しの業が