2022年4月25日 礼拝説教 「地球の支配者」
2022年4月25日 礼拝説教
「地球の支配者」
創世記1章24~31節
24節
神は言われた。「地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、這うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。」そのようになった。
25節
神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。
26節
神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」
27節
神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。
28節
神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」
29節
神は言われた。「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。
30節
地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」そのようになった。
31節
神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である。
1995年頃、奄美大島付近の海に潜るダイバーたちは、海底の砂に直径2メータ-もある、とても芸術的な星模様に気付きました。アーティストの正体は15年以上も分かりませんでしたが、作者は驚いたことに人間ではなく、身長12センチしかないフグの一種、アマミホシゾラフグでした。雄たちは芸術性を競いながら模様を作り、メスたちは気に入った模様を選び、その真ん中に卵を産むことがわかりました。このようにして、芸術的才能があるフグの遺伝子が残され、高度なデザインを描く才能が代々、継がれてきました。
いくら偉そうにしても、人は霊長類の一種で、動物社会を観察すると、人間社会についてもたくさんのことがわかります。天地創造の物語を読んでも、人は他の哺乳類と同じ6日目に造られました。しかし、人間を造るにあたって、神様は特別な思い入れがありました。最後の作品として、神様はご自分に似た物を造り、自然界の頂点に置きました。毛が少ない霊長類程度の物にしか見えなくても、人には神様にしかない特徴があり、生き物の中では別格の存在です。
動物は起きている時間の大半を、食べ物を探すのに費やします。お腹がいっぱいになり、肉食動物に捕まることなく、子作りさえできれば、ほとんどの動物は満足します。しかし、人間は違います。自分という存在を意識し、将来の自分がどうなるのかを心配します。やっていることに意味を求め、それがわからないと気分が落ち込みます。人はこうあるべきだという理想を持ち、目標を立ててそれに向かって努力します。
身勝手な行動をとると、悪かったという思いに悩まされ、何かの償いをしようとします。殴られたり心無い言葉をかけられたりするとその痛みがわかり、意地悪な気持ちになると、同じ痛みを人に味わわせようとします。逆に優しい気持ちになると、人の苦しみを和らげようと努力します。本能に従って襲ってくる動物の罪を責めることはできませんが、悪魔になるか、天使になるかを選ぶ力がある人間の罪は問われます。
動物に信仰心はありませんが、宗教のない民族は一つもありません。苦しみや悩みを経験すると、自分よりも優れた、偉大な存在を意識し、助けを求めて祈ります。神なんかいないと言う人ほど、それに代わる何かを求め、自分に合った集団や活動を見つけると、それに夢中になります。
神様は人間に地球を支配する権限を与えました。聖書は核戦争や自然破壊の心配がない時代に書かれましたが、今になって人は地球を破壊して生き物を絶滅させる力もあれば、救う力もあります。人間は弱いと言いますが、神様を除くと、人間ほど強い物はありません。太陽は燃えるか、燃えないかを自分で決めることはできませんが、人は自分の意志で戦争を起こすことも、平和な世の中を造ることもできます。
ここにいる私たちは皆、天地創造の最後に、最高の作品として造られた人間として生まれました。これはとても幸せな事であると同時に、とても重い事実です。神にも似た能力や心を手にしながら、それをどう活かすかは、一人一人の選択にかかっています。「地を従わせよ」と言われた以上、どんな世の中にするかは、人類の一部である私たちにかかっています。
Comments
Post a Comment