2024年9月9日 礼拝説教 「生意気な若者」
2024年9月9日 礼拝説教
「生意気な若者」
サムエル記上17章13節、16節~17節、20節、23節~24節、26節、
28節~29節
13節
エッサイの年長の息子三人は、サウルに従って戦いに出ていた。
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16節
かのペリシテ人は、四十日の間、朝な夕なやって来て、同じ所に立った。
17節
さて、エッサイは息子ダビデに言った。「兄さんたちに、この炒り麦一エファと、このパン十個を届けなさい。陣営に急いで行って兄さんたちに渡しなさい。
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20節
ダビデは翌朝早く起き、羊の群れを番人に任せ、エッサイが命じたものを担いで出かけた。彼が幕営に着くと、兵は鬨の声をあげて、戦線に出るところだった。
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23節
彼が兄たちと話しているとき、ガトのペリシテ人で名をゴリアトという戦士が、ペリシテ軍の戦列から現れて、いつもの言葉を叫んだのでダビデはこれを聞いた。
24節
イスラエルの兵は皆、この男を見て後退し、甚だしく恐れた。
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26節
ダビデは周りに立っている兵に言った。「あのペリシテ人を打ち倒し、イスラエルからこの屈辱を取り除く者は、何をしてもらえるのですか。生ける神の戦列に挑戦するとは、あの無割礼のペリシテ人は、一体何者ですか。」
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28節 長兄エリアブは、ダビデが兵と話しているのを聞き、ダビデに腹を立てて言った。「何をしにここへ来たのか。荒れ野にいるあの少しばかりの羊を、誰に任せてきたのか。お前の思い上がりと野心はわたしが知っている。お前がやって来たのは、戦いを見るためだろう。」
29節
ダビデは言った。「わたしが、今、何をしたというのですか。話をしているだけではありませんか。」
若さほど輝かしく、恐ろしい物はありません。国が栄えるのも、滅びるのも若さ次第と言っても良いでしょう。何年も同じ問題を解決できない大人たちを見ていると、若者は黙っていられなくなります。経験もなく、問題の根深さもわからないのに、恐れずに「こうすれば良いではないか。ああすれば解決できるはずだ。」と言って意見を述べます。
大人たちは迷惑そうな顔して話を聞き流そうとします。「それは前にもやったが、上手く行かなかった。君が考えるほど単純な問題ではない。もう少し経験を積んでから物を言いなさい。」無視しようとする大人たちの言い分にも一理ありますが、彼らにも反省すべき点がたくさんあります。それまでのやり方に縛られ、解決できないとほぼ諦めているので、時間がたつだけで、何一つ変わりません。
近ごろの例を見ても、世界に役立つ新しい物を提供したのは、一生続けた研究をついに成功させた老人というよりは、だれも思いつかなかった事を一気に実行した若者でした。人格的に評価できるかは別問題として、10代や20代の頃に思いついたことを、すぐにやって見せる彼らの行動力に、世界を変える力がありました。
預言者サムエルから王位に就くとまで告げられたダビデの立場は、これまでと少しも変わっていませんでした。サウル王の呼びかけに応えて戦場に出かけたのは兄たちで、ダビデはこれまで通りに羊の世話をさせられていました。陣中見舞いを頼まれて初めて戦場に近づきましたが、そこで目にしたのは兄たちの勇敢に戦う姿ではなく、大声で挑発するゴリアトの前から逃げ惑うイスラエル兵のみじめな姿でした。
ダビデの幻滅には理由がありました。小さい頃から、サムエルの指導の下で、それまで勝てなかったペリシテ軍に打ち勝ったイスラエル軍の話を聞かされていました。イスラエルの神、ヤハウェは味方となり、優れた武器を持つ敵を追い返しました。少年ダビデの心に、同じ神様が付いているという信仰が根付いていたからこそ、襲われた羊をライオンから守る勇気が湧いてきました。
「このようなことはあってはならない。あのペリシテ人が侮辱しているのはイスラエルの兵隊だけではなく、イスラエルの神だ。」心の柱となる物を揺さぶられる思いをしたダビデは、黙っていられませんでした。「生ける神の戦列に挑戦するとは、あの無割礼のペリシテ人は一体何者ですか。」
威勢の良い、ダビデの言葉が癪に障ったのはお兄さんのエリアブでした。「何も知らないのに、偉そうなことを言うな!」エリアブは皮肉たっぷりの言葉をダビデに浴びせました。「何をしにここへ来たのか。荒れ野にいるあの少しばかりの羊を誰に任せてきたのか。ここはお前のいるべき場所ではない。身分をわきまえて控えろ!」
ダビデはシュンとなってベツレヘムに戻ったでしょうか。それはあり得ないことでした。イスラエル軍を指揮していたのはサウル王であっても、神様から新しい、油注ぎを受けていたのはダビデの方でした。イスラエルとペリシテの全軍が注目する中、新しい王となるダビデの登場する時が近づいていました。
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