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Showing posts from June, 2020

2020年7月6日 礼拝説教 「取るに足りない僕」

2020 年 7 月 6 日 礼拝説教 「取るに足りない僕」 ルカによる福音書 17 章 7 ~ 10 節 7節                   あなたがたのうちだれかに、畑を耕すか羊を飼うかする僕がいる場合、その僕が畑から帰って来たとき、『すぐ来て食事の席に着きなさい』と言う者がいるだろうか。 8節                   むしろ、『夕食の用意をしてくれ。腰に帯を締め、わたしが食事を済ますまで給仕してくれ。お前はその後で食事をしなさい』と言うのではなかろうか。 9節                   命じられたことを果たしたからといって、主人は僕に感謝するだろうか。 10節              あなたがたも同じことだ。自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです』と言いなさい。」 現代社会には「僕」という身分はありません。聖書時代の「僕」には借金返済のために自由を失った人たちが多く、労働条件がとても悪かったです。夜明けから日没まで農作業をした後も休ませてもらえず、奴隷に近い扱いを受けました。ヘトヘトになって畑から帰ってきた「僕」は主人の食事の支度をさせられ、「ご苦労様」の一言もないまま一日の勤めを終えました。 精一杯働いた「僕」は最後に「この程度のことしかできなくて申し訳ございません。」と言って謝らなければなりませんでした。今の時代なら、大変な人権問題になりますが、優しいはずのイエス様が、自分の弟子になろうと...

2020年6月22日 礼拝説教 「躓く小さい者たち」

2020 年 6 月 22 日 礼拝説教 「躓く小さい者たち」 ルカによる福音書 17 章 1 ~ 6 節 1節                   イエスは弟子たちに言われた。「つまずきは避けられない。だが、それをもたらす者は不幸である。 2節                   そのような者は、これらの小さい者の一人をつまずかせるよりも、首にひき臼を懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がましである。 3節                   あなたがたも気をつけなさい。もし兄弟が罪を犯したら、戒めなさい。そして、悔い改めれば、赦してやりなさい。 4節                   一日に七回あなたに対して罪を犯しても、七回、『悔い改めます』と言ってあなたのところに来るなら、赦してやりなさい。」 5節                   使徒たちが、「わたしどもの信仰を増してください」と言ったとき、 6節                   主は言われた。「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に...

2020年6月15日 礼拝説教 「信じる根拠となる物」

2020 年 6 月 15 日 礼拝説教 「信じる根拠となる物」 ルカによる福音書 16 章 27 ~ 31 節 27節              金持ちは言った。『父よ、ではお願いです。わたしの父親の家にラザロを遣わしてください。 28節              わたしには兄弟が五人います。あの者たちまで、こんな苦しい場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。』 29節              しかし、アブラハムは言った。『お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい。』 30節              金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』 31節              アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」 先週、この話の中に「金持ち」の正体についてヒントがあると言いました。紫の衣を着てぜいたくに遊び暮らし、五人の兄弟がいたこの人は一体だれでしょうか。既に死んでいた人ではなく、ユダヤ人の最高指導者、カイアファだったという説があります。カイアファはエルサレムの神殿礼拝から巨大の富を得ていた大祭司一族の長、アンナスの娘婿で、このアンナスには五人の息子がいました。 たとえ話の後半は、どうすればこのような人たちが反省し、生き方を変えるかについての議論になります。「金持ち」は残された家族の行く末を心...

2020年6月8日 礼拝説教 「地獄絵図」

2020 年 6 月 8 日 礼拝説教 「地獄絵図」 ルカによる福音書 16 章 19 ~ 26 節 19節              「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。 20節              この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、 21節              その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。 22節              やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。 23節              そして、金持ちは陰府でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。 24節              そこで、大声で言った。『父アブラハムよ、わたしを憐れんでください。ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの炎の中でもだえ苦しんでいます。』 25節              しかし、アブラハムは言った。『子よ、思い出してみるがよい。お前は生きている間に良いものをもらって...